国際活動(中国・エチオピア)

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阿拉善(中国)


内モンゴル自治区アラシャン盟バヤンホト鎮生態保護林整備事業

造林地は、砂漠化が高度に発達し、流動砂丘を中心とする区域であり、造林面積180haに下記樹種計351,000本、植林する。

樹種は、根部が発達し、風の侵蝕と砂の埋没に強い抗性を有し、耐乾燥・耐寒冷の郷土樹種のザグ(梭梭)を主要樹種とし、潅木の花棒と砂拐棗を部分的に取り入れ、防風林には固有樹種のスナナツメを採用する。流動砂丘での造林は風砂による影響は大きく受けるので、15haの麦わら「草方格」を設置してから植栽を行う。当年度の造林の活着率を75%以上とする。 

施設・研修・造林など着実に進展

農牧民の意識向上、環境教育、学生交流もJICA(国際協力開発機構)による、ここ中国・内モンゴル自治区の砂漠化防止、植林、現地遊牧民等の定住化および育苗農業、小学生等の環境啓発事業などは着実に進んでいる。現地より概要をレポートする。 

◇総合研修センターの整備

総合研修センターの整備事業が終了し、30人の宿泊施設と研修ホールが整備され、農牧民研修とボランティア参加等の活動に利用されている。

◇農牧民研修事業

第2四半期において、農牧民合作社を中心に延べ三十数回の研修会と実地技術指導が行われ、農牧民の生態意識の向上と生態技能の習得に努めた。

◇研究調査事業

寧夏大学の研究グループにより、当該事業区域における生態環境調査研究が行われた。 

◇環境教育事業

現地の小学校の850人の学生に対する環境教育、自然学習及び実践体験の環境教育を行ったほか、中国全国から集まった80人の小中学生に対する環境教育活動を実施した。

◇ボランティア参加活動

中国緑化基金会と共同で「2011愛のための遠征」活動を主催し、全国から募集した21人の青年と地元の青年40人が9日間に及び砂漠緑化活動に参加した。 

◇造林緑化事業

当年度に植林された苗木が順調に生育され、3回の灌水を実施したほか、全事業区域における病害虫防除の作業が行われた。

◇学生実習活動

2011年8月から9月にかけて、東京都市大学及び早稲田大学の約100名の大学生が当該事業区域における調査研究及び植林等の作業に参加した。(報告-2011年9月25日・呉向栄専務理事)

反省し方向を示したい

~決意語る~

千年に一度の寒冬」は阿拉善(アラシャン)で猛威を振るっています。最近は急に気温が-20度近く下がっています。温暖化が非常に騒いでいる世の中で、この寒さで子供の時の思い出が久しぶりに蘇ります。もしかして、これも温暖化防止の効果?或いは緑が増えたからではないかとふと考えてしまいます。 

◇失敗の多さに驚く

世の中のことは、そううまく行くはずがないんです。温暖化防止はそうですし、緑を増やすこともそう簡単ではありません。新年となったいま、昨年一年間に何をしたかを振り返ってみて、失敗の多いことに自分自身も驚きました。単純な植林から「卒業」しようと、研修などを中心に活動を取り組んできました。研修センターの整備、施設農業、生態牧畜産業など、常に新しい課題に挑戦しました。当然、 砂漠化の原因である「水問題」という本質に迫ったことは間違いではないけど、慣れていない分野への挑戦に悩みの種も尽きません。 

◇管理能力不足に悩む

研修センターの拡大に伴い、研修の規模も大きくしましたが、事業マネジメント能力の欠如、とりわけ人材の不足という課題にすぐに直面しなければなりません。羊やヤギの放牧の代替手段として鶏の放牧の普及に着手しましたが、逆に生態養鶏モデルの運営管理に負担が掛かってしまいました。節水農業の典型として施設野菜栽培に関する基盤整備と研修が行われたが、やはり管理能力の問題で四苦八苦しています。 上記のように、これらの事業は砂漠化問題の解決に必要不可欠であり、研修によって一定の効果もあげたが、団体の持続的な発展の基盤強化につ ながらなかったことはすごく残念に 思っています。一方、中核である植林事業は、事業の幅を広げすぎたことにより、従来どおりのことしかできませんでした。技術の蓄積にも生態の調査研究も新たな事業はほとんど手がけられませんでした。 このように、昨年は多くのことを反省しなければならない一年間でした。多角化・多方面化で砂漠化防止事業を持ち上げようという考え方自体が間違いではありません。

◇人材育成と造林中心に

しかし、その前に事業運営能力の強化、人材育成と確保、そして何より中核事業である造林事業の発展に、より力を注ぐべきなのに事業を広げすぎ、目の前の問題処理で忙殺され、事業の方向性が見えなくなってしまいます。冬季を使って、しっかりと問題点を反省し、事業の方向性を明確にして、2011年も皆さんと一緒に頑張ります。昨年一年間のご支援とご協力、ありがとうございました。 (呉向栄専務理事・阿拉善事務所2010年12月14日)


天津(中国)


安徽省阜陽市太和県における水土保持造林事業

計画造林面積は26.6haに、苗木19,999本を植林する。樹種は現地固有種で、生育が早く防護性が良好で生態性と経済性が重なる薄皮ヤマクルミを主そし、キンモクセイ、ソヨゴとオオモクゲンジを一部取り入れる。ヤマクルミの樹幹が高く、樹冠が広く、根部が発達する特性を有し、当該地域に非常に適している


湖北(中国)


湖北省寧市通城県生態防護林整備事業

造林面積は80haに、苗木54,000本を植林する。
樹種は現地固有種で生育周期が長く、生態防護効果が高く、一定の経済効果もあるツバキ(油茶)を主として、シナユリノキ(馬掛木)とアカマツ(馬尾松)も採用する